7.1 スタイルシートに対する考え方
文字の大きさや色を指定する方法として従来は、
<FONT SIZE="+2" COLOR=red>
とすれば大きい文字で赤色になりますね。それをわざわざ、
<SPAN STYLE="font-size:150%;color:red">
と記述する利点はあるのだろうか、と疑問に思いますよね。少なくともSTYLE=の文字の分だけ多く記述する必要があり不利ですね。
確かに上記のように個々にスタイルを指定していたら、同じような記述が繰り返し出てきて、うんざりしてしまいますね。
ここで、スタイルシートの指定方法を思い出して下さい。スタイルシートだけを別のファイルに記述して、HTMLファイルへ読み込む方法がありましたね。これを利用すると、自分好みのタグを作成してHTMLファイルに記述できる、と考え方が変わります。このように考え方が変わると、スタイルシートを使うのが楽しくなります。
すなわち、次のように記述したファイルを
style.css(名前は自由、拡張子は.css)としてHTMLファイルと同じフォルダに保存します。
#red2{font-size:200%;color:red}
#blueb{color:blue;font-weight:bold}
これは、<SPAN
ID=red2>タグは「2倍で赤色文字」、<SPAN
ID=blueb>タグは「青色で太字」に設定することを示しています。
そして、HTMLファイルのヘッダに次のように記述して、style.cssファイルを読み込みます。
<HEAD>
‥‥
<LINK REL=stylesheet TYPE="text/css" HREF="style.css">
</HEAD>
本文には次のように記述します。
<SPAN ID=red2>ここは2倍の大きさで赤色の文字です。</SPAN><BR>
ここは普通の文字です。
<SPAN ID=blueb>ここは青色で太字です。</SPAN>
ここから普通の文字です。
右側のボタンをクリックして結果を見てみましょう。
一つのHTMLファイルの中で、同じIDは一回しか使えないことになっています。何度も使う場合はCLASSを使いましょう。
.red2{font-size:200%;color:red}とし
<SPAN
CLASS=red2>ここは2倍の大きさで赤色の文字です。</SPAN>と記述します。
7.2 作例をスタイルシートでまとめる
第1章と第2章で作成したホームページをスタイルシートにまとめてみましょう。先ず、ページのイメージを考え、新しいタグを作る気分でスタイルシートで表現してみます。それを一つのファイルにし、拡張子を.cssとしてHTMLファイルと同一のフォルダに保存します。HTMLファイルでは、自分が作成したタグを記述します。フォルダとファイルの関係を確認しておきましょう。
フォルダ ファイル
homepage--------index.html (ホームページ)
| emuindex.css(index用スタイルシート)
|
+---html-------honbun1.html(自己紹介のページ)
| honbun2.html(X山への挑戦のページ)
| emuhtml.css (html用スタイルシート)
|
+---image------watasi.jpg(私の写真)
yama.jpg (山の写真)
back1.jpg (背景用画像)
7.2.1 イメージをスタイルシートにする
(1)index用スタイルシート
- ページ全体の背景色はうすい黄色で左側に螺旋綴じの画像を入れる。文字の色は黒色。
BODY{background:URL(image/back1.gif) #ffc repeat-y;color:#000}
- 文字に関して、
- タイトル文字はイタリック体の太字で大きさ1.5倍。
#title{font-style:italic;font-weight:bold;font-size:150%}
- 注意を引く文字は太字で大きさを2倍とし赤色とする。
#chui{font-weight:bold;font-size:200%;color:red}
- 目次の文字は太字で大きさ1.2倍。
#mokuji{font-weight:bold;font-size:120%}
- 配置に関して、
- 中央に配置する部分。
.center{text-align:center}
- 右側揃えにする部分。
.right{text-align:right}
- 横幅80%で高さ150ピクセルのブロックを中央につくり、浮き上がらせる。内側の余白は10ピクセル。
#block{margin-left:10%;margin-right:10%;height:150px;border:4px outset;padding:10px}
- 高さ5ピクセル、緑色の水平線。
#sen{background:green;font-size:5px}
以上、太字の部分を記述したファイルをemuindex.cssとして保存する。
BODY{background:URL(image/back1.gif) #ffc repeat-y;color:#000}
#title{font-style:italic;font-weight:bold;font-size:150%}
#chui{font-weight:bold;font-size:200%;color:red}
#mokuji{font-weight:bold;font-size:120%}
.center{text-align:center}
.right{text-align:right}
#block{margin-left:10%;margin-right:10%;height:150px;border:4px outset;padding:10px}
#sen{background:green;font-size:5px}
(2)html用スタイルシート
- ページ全体の背景色はうすい黄色で左側に螺旋綴じの画像を入れる。文字の色は黒色。
BODY{background:URL(../image/back1.gif) #ffc repeat-y;color:#000}
- 見出しの文字は太字で大きさ1.3倍、色は赤。
#midasi{font-weight:bold;font-size:130%;color:red}
- 配置に関して、
- 本文は左右に5%の余白をつける。
#honbun{margin-left:5%;margin-right:5%}
- 中央に配置する部分。
.center{text-align:center}
- 枠線で囲む部分。
#waku{border:1px solid green;padding:5px}
- 高さ5ピクセルの緑色の水平線。
#sen{background:green;font-size:5px}
- 写真は枠に入れる。
IMG{border:6px ridge}
以上、太字の部分を記述したファイルをemuhtml.cssとして保存する。
BODY{background:URL(../image/back1.gif) #ffc repeat-y;color:#000}
#midasi{font-weight:bold;font-size:130%;color:red}
#honbun{margin-left:5%;margin-right:5%}
.center{text-align:center}
#waku{border:2px solid green;padding:6px}
#sen{background:green;font-size:5px}
IMG{border:6px ridge}
7.2.2 HTMLファイルを書き直す
(1)index.html
<HTML>
<HEAD><TITLE>エムの旅日記</TITLE>
<LINK REL=stylesheet TYPE="text/css" HREF="emuindex.css">
</HEAD>
<BODY>
<DIV ID=title CLASS=center>エムの旅日記</DIV>
<DIV ID=sen> </DIV>
<BR>
これは、<SPAN ID=chui>私(エム)</SPAN>の旅の記録です。
<BR><BR>
<DIV ID=block>
<SPAN ID=mokuji>
◆<A HREF="html/honbun1.html">自己紹介</A><BR>
<BR>
◆<A HREF="html/honbun2.html">X山への挑戦</A><BR>
</SPAN>
</DIV>
<DIV CLASS=right><BR>更新日:03-02-18</DIV>
</BODY>
</HTML>
(2)honbun1.html
<HTML>
<HEAD><TITLE>自己紹介</TITLE>
<LINK REL=stylesheet TYPE="text/css" HREF="emuhtml.css">
</HEAD>
<BODY>
<DIV ID=honbun>
<DIV ID=midasi CLASS=center>自己紹介</DIV>
<DIV ID=sen> </DIV>
<BR><BR>
★私はエムです。<BR>
<IMG SRC="../image/watasi.jpg" ALIGN=right>
☆これが私です。いい男でしょう。<BR CLEAR=all>
<BR><BR>
<DIV CLASS=center>
<SPAN ID=waku>
<A HREF="../index.html">[INDEX]</A>
<A HREF="honbun2.html">[X山への挑戦]</A>
</SPAN>
</DIV>
</BODY>
</HTML>
(3)honbun2.html
<HTML>
<HEAD><TITLE>X山への挑戦</TITLE>
<LINK REL=stylesheet TYPE="text/css" HREF="emuhtml.css">
</HEAD>
<BODY>
<DIV ID=honbun>
<DIV ID=midasi CLASS=center>X山への挑戦</DIV><BR>
<DIV ID=sen> </DIV>
<BR><BR>
〇月〇日、私はX山に登りました。<BR>
<IMG SRC="../image/yama.jpg" ALIGN=right>
その時の写真がこれです。45度の急傾斜面を一気に登りました。<BR CLEAR=all>
<BR><BR>
<DIV CLASS=center>
<SPAN ID=waku>
<A HREF="../index.html">[INDEX]</A>
<A HREF="honbun1.html">[自己紹介]</A>
</SPAN>
</DIV>
</BODY>
</HTML>
右側のボタンをクリックして結果を見てみましょう。
7.3 このホームページの例
このホームページで使っているスタイルシートの一部を紹介します。ホームページを参照しながらご覧下さい。
(1)ページ全体に関するもの
(a)背景と文字
BODY{background:URL(../image/back14.gif) #f0f0f0 fixed;font-family:"MS P明朝";line-height:120%;color:#000}
URL(../image/back14.gif)で背景画像を指定し、#f0f0f0は画像が読み込まれない場合の背景色で、fixedは背景がスクロールしないことを指定しています。
"MS P明朝"は全体のフォントがMS P明朝で表示されることを指定しています。
120%は行間隔が通常の1.2倍になるように指定しています。
#000は文字の色が黒で表示するように指定しています。
(b)リンク
A:link{color:blue}
A:visited{color:blue}
A:hover{color:red;background:#ff9}
linkは訪問する前のリンクの色です。visitedは訪問した後の色です。hoverはマウスを置いた時の色です。backgroundは背景色です。
(2)配置に関するもの
(a)本文を書く枠
#bdy{margin:5px;padding:4px;background:#ffc;border:1px solid green}
これは<DIV ID=bdy>〜</DIV>と記述して使用します。
margin:5pxで外側の余白を5ピクセルとし、padding:4pxで内側の余白を4ピクセルとします。背景色はうすい黄色(#ffc)で、枠を1ピクセルの緑色の線で囲みます(border:1px solid green)。
(b)左側の余白
.sp1{margin-left:16px}
.sp2{margin-left:32px}
.sp3{margin-left:64px}
これらは<DIV CLASS=sp1>〜</DIV>などと記述して使用します。
それぞれ左側余白が16ピクセル〜64ピクセルとれます。
(c)このページのスタイルを記述している枠
.styl{margin-left:16px;margin-right:16px;margin-bottom:4px;border:1px solid blue;background:#f0f0f0;padding:5px}
<DIV CLASS=styl>〜</DIV>と記述して使用します。
border:1px solid blueで青色の枠線を引きます。margin-bottom:4pxで枠と下の文字との間隔を4ピクセル取っています。padding:5pxで枠と内部の文字との間隔を5ピクセル取っています。
(3)文字に関するもの
(a)見出し文字
H2{width:100%;filter:Blur(strength=4,direction=135);color:#c00}
このページの一番上の見出しです。これは影の付いた文字になりますが、インターネットエクスプローラしか対応していません。
(b)目立たせる文字
.mdt{color:#03c;font-weight:bold}
.chu{color:#c30;font-weight:bold}
<SPAN CLASS=mdt>〜</SPAN>と記述しした部分が、濃い青色で太字になります。
<SPAN CLASS=chu>〜</SPAN>と記述しした部分が、濃い赤色で太字になります。
(c)小さい文字
.s{font-size:80%;line-height:110%}
<DIV CLASS=s>や<SPAN CLASS=s>などと記述すると、大きさ80%の文字になります。
スタイルシートを使うと色々な部分を細かく指定できるので、皆さんも独自のタグを工夫してみましょう。スタイルシートのリファレンスについては
「リンク集」に記載していますので参考にして下さい。